2013/10/01

不確実性



さいころがあります。
次に6の目を出したらあなたの勝ちです。
どうぞ。





残念。
でも次に6の目を出したらあなたの勝ちでいいです。
どうぞ。


 


残念。
でも次こそ6の目を出したらあなたの勝ちでいいです。
どうぞ。





残念。
疲れてきましたね。
次6の目が出なければあなたの負けです。
どうします?



何回振ろうと、あなたが次に勝つ確率は6分の1です。
確率が上がることはありません。

 









6回以内に6の目が出ればあなたの勝ちです。
どうぞ。


 



当たった。
6回以内でいいのであれば、あなたが勝つ確率は66.5%になります。

 



20回以内に6の目が出ればあなたの勝ちです。
どうぞ。

 



当たった。




 



20回以内でいいのであれば、あなたが勝つ確率は97.4%になります。
生きる希望が出てきましたね。
 




で、何回目に勝つの?




一回目に勝つ確率が最も高いが、それが1/6。
それ以降で勝つ確率はどんどん下がっていく。

⇒ いつ勝つかはよく分からない







ずっと続ければ『何回目かで勝つ』、のは確実だが、
A. 『勝つ』のが『何回目』かは分からない。
B. 『何回目』に『勝つか負けるか』は分からない。

逆に、いつ勝つかはわからないが、
C.十分たくさん続ければ、いつかは勝てる。
D.早い段階で勝つ可能性の方が高い。
(一回目で勝つ確率が一番高く、後になるほど下がるため)







AとBは、量子力学で『不確定性原理(Uncertainty principle)』と呼ばれるものです。
本家では、量子の位置と運動量を同時には決定できない、
ということを数式をたくさん使って言っていますが、
要は、確率が絡んでいると、決定できないことがある、ということです。
(当たり前のように聞こえて、当たり前です。)



CとDは、ほぼ偶然には起こらないだろう低確率の事象が、
不自然なまでの高確率で起こってくる現象です。
CとDはおそらく、当たり前には聞こえない(と思います)が、
これも当たり前の一つです。