2013/04/23

存在し続けるということ

<その一 絶対安定>


恐竜の化石は数千万年前、数億年前から地中に残り続けています。

化石は恐竜の骨格です。
筋肉は微生物等で分解されてしまいますが、
骨格は土の中で何千万年と化石として残りつづけます。

それは土の中に骨を分解する物質や生物がいないからで、
おそらくあと何億年たっても同じように残っているでしょう。















例えば金属。

一部、放射性元素による核反応による変化はありますが、
我々が普段接している物質の変化は、
九割九分が元素の組み合わせの変化、
もしくは形の変化です。





金属は
隕石等で宇宙からもたらされたもの以外は、
ほぼすべてが地球ができたときからあります。
おそらく地球が終わるまでそのままあるでしょう。

金属元素を変化させるにはものすごく大きなエネルギーが必要で、
地球上ではそのような高エネルギー状態が大規模に発生しないからです。

金属は地球の創生期に太陽系もしくは外部からもたらされたものであり、
それ以降劇的に増えてはいません。
ただ、その元素の安定さ故に、今日にも金属として残り続けているのです。

<その一 絶対安定 終わり>




<その二 維持再生>


例えば歴史的な街並み。

京都、奈良に代表される、何百年前、千何百年前の
古い建物が残る古い町が日本にはあります。





建物は化石とは違います。
不安定です。数十年で痛み、
そして壊れます。



建物は頻繁に補修されます。
場合によっては、定期的な建て替えを行う場合もあります。



化石同様、その時代の建物が今の時代に自然に甦ることはありません。
壊れたらそれでおしまいです。

特別な状態であるからこそ、特別な管理が必要なのであり、
同時にそれらが特別なものであるということは社会的に認知されています。






たとえば会社。
Aさんは社長です。




Aさんは工場を作りました。
結構儲かっています。



隣に競合メーカーができました。



売上が減りました。






悩む。



Aさんは新商品を開発しました。



売れまくっています。



なんとかAさんは経営を
建て直しました。



(以後繰り返し)



会社は常に競争にさらされ、他社より優れたサービスを提供する為に努力し続けます。
会社は常に他社と競争し、勝たなければいけません。
勝てない会社は存在意義を失い、倒産します。

特別な状態であるからこそ、特別な管理が必要なのであり、
その不断の努力の結果に会社が存在しているのです。

<その二 維持再生 終わり>





<その三 再生成>

例えば生物。
猫の家族がいます。



子猫が成長します。



大人との区別がつかなくなりました。



一部、寿命等で死にます。



子供が生まれます。
以後繰り返し。






会社がたくさんあります。



会社が成長します。



時々新しい会社が生まれます。



時々一部倒産します。



以後繰り返し。

会社は単体で見れば、維持するためにものすごい努力がされますが、
社会全体でみると、会社は自動生成され、新陳代謝していきます。



先ほどの猫の例でいうと、全体としては定期的に子供が生まれて成長し、
安定な世界が築かれていますが、個別にみると縄張り争いや
交尾の順位争いなど厳しい生存競争にさらされています。


維持再生と再生成は表裏一体です。


<その三 再生成 終わり>




新規生成消滅
なしなし絶対安定
なし(個体)あり維持再生
ありあり(個体)再生成
ありなし(???)

生成はするけど消滅はしないものもあります。
代表的なものが熱やゴミです。