2013/10/29

コミュニケーションの次元 2







りんごをおすそわけです。
ありがとうございます。




しゃくしゃく




あかいリンゴとあおいリンゴ、
どちらがおいしかったですか?




赤?青?




茶色い方がおいしかったです。




あかい方ですね。




→ コミュニケーションの次元 1

かみ合っているようでかみ合わない
かみ合っていないようでかみ合っている。
この会話の正体は何か?






 
あかいリンゴとあおいリンゴ、
どちらのリンゴがおいしかったですか?
 赤?青?


Bさんの言っていることは間違ってはいませんが、
結果としてAさんのほしい答えになっていません。



 
茶色い方がおいしかったです。 あかい方ですね。

BさんとAさんのやり取りは、最後まで表現が食い違ったままです。
しかし、意味は通じています。







メンバーを組み替えてみましょう。
3人のうち2人が黄色い人の思考パターン、
一人が青い人の思考パターンで会話に参加します。

ケース1
 
茶色のリンゴと緑のリンゴ、
どちらがおいしかったですか?
 あかいリンゴです。

ケース2
 
あかいリンゴとあおいリンゴ、
どちらがおいしかったですか?
 赤?青?


『あかいリンゴ』が通じなくなりました。




全文、文法的には正しいし、文脈的にも間違いではない。
全員が同じ言語(日本語)でしゃべっている。

しかし、AさんとCさんのコミュニケーションは成り立ち、
AさんとBさんのコミュニケーションは成り立っていない。




もう一例見てみましょう。
全員が黄色い人です。

ケース3
茶色のリンゴと緑のリンゴ、
どちらがおいしかったですか?
 茶色いリンゴです。

通じました。
「あかいリンゴ」なんて紛らわしい表現を
使うからよくなかったんですね。







カレーを食べるのが目的か、
晩御飯を食べるのが目的か




晩御飯を食べに行きましょう。
カレーとか、どうですか?

いい店知ってますよ。



他にありませんか?

カレー屋はもう知らないなぁ。



ラーメンでよければ



『晩御飯としてカレーを食べようという話になりますが、
カレー屋が閉店しており、代わりにラーメンを食べた』
という話でした。




元々の目的は晩御飯を食べることであり、
カレーは選択肢の一つにすぎませんので、
それなりに妥当な展開でしょう。


さて、リンゴの例と同様、メンバーを入れ替えてみましょう。







ケース4
  
ラーメンでよければ  カレーの話をしているんだ!


ケース5
  
  カレー屋は他にないか?ないか?


リンゴの例では、表現のずれなので結論に差はありませんでしたが、
ケース4・5では、コミュニケーションの齟齬が結論に影響を与えています。

『とりあえず晩御飯』の青い人の主張はもう通じません。
晩御飯はカレーで決定のようです。




ケース6: 全員が黄色い人
  
 カレーだ! カレーだ!  カレー屋は他にないか?ないか?

まあまあ、晩御飯が食べられないだけで死にはしませんし、
これはこれでいいのかもしれません。









仕事をするのが目的か、
仕事を終わらせるのが目的か






黄色い人は『とにかく頑張って仕事を進める』という発想で動いています。
青い人は『期限を守るためには何をするか』という発想で動いています。





ケース7: 
  
 5枚終わりました。  期限には間に合いそうですか?




ケース8: 
  
 仕分け完了しました。
3人掛かりでぎりぎりの分量です。    
 他人を当てにしていないで、自力で
 とかしようという気はないのかね!?


あらら、青い人、ついに怒られちゃいました。



ケース9: 全員が黄色い人
  
 とにかく精一杯がんばろう!     

最終的に、この仕事の納期を守ることはできません。

さすがにここまで来ると、
『コミュニケーションが取れていればいい』
というわけにはいきません。







包括的表現




排他的表現

生きる会社を守る

栄養を摂取する事業を守る

空腹を満たす売り上げを守る
赤い晩御飯を食べる納期を守る
茶色いカレーを食べるがんばる

リンゴの例晩御飯の例仕事の例

情報処理能力には個人差があり、
コミュニケーションを成立させるためには
表現の次元を一致させていく必要があります。



・ 文法が正しいかどうかとは別の問題です。
次元が異なる会話は文法的に正しくても意味が通じません。
・ 低い側の次元(より排他的な表現)に合わせないと会話が成立しません。
・ 低い側の次元に合わせれば表面的に会話は通じますが、
高い側の本来の主張とはずれが生じます。


各例題は
『黄色い人』が次元が低い表現を使う人であり、
ここに、『青い人』が次元が高い表現を使う人です。
改めて読み直してみると、何が起こっているかを理解できると思います。







5年後に我が社の売り上げを2倍にしたいと思う。
何をすればいいと思うかね?




繰り返しですね。
この組織では何が起きると思いますか?









意思決定
意思決定 導入
思考の分配
多数決
会議
コミュニケーションの次元
コミュニケーションの次元 2

2013/10/22

組織への貢献



Aさんがいます。

Aさんが社長です。
Aさん以外に社員はいません。







Aさんは必要な情報を1人で収集します。







Aさんの仕事への貢献度は100%です。






Aさんは部下を持ちました。

BさんとCさんは、Aさんの指示で仕事をします。

 




BさんとCさんは一生懸命情報収集を行います。
何を収集するかを決めるのはAさんです。


 




Aさん自身も今まで通り情報収集を行います。







作業量としては部下が貢献していますが、
意思決定への貢献度はAさんが100%のままです。







BさんとCさんが、独自の専門性を持ち、
Aさんができないことをできるようになったとします。


 




BさんとCさんは、Aさんから指示された仕事をこなす傍ら、
独自の成果を出します。




<作業レイヤー><意思決定レイヤー>


仮に大元の指示をしたのがAさんであっても、
BさんとCさんの専門分野についてはAさんは口出しができません。

Bさん、Cさんの裁量が事実上発生し、
意思決定への貢献比率がBさんとCさんに移っていきます。









ところで、ここに、BさんCさんが作業したが、
専門性が発揮されていない仕事があります。






この仕事はBさん、Cさんでなくてもできます。
仮に同じ時間、彼らが専門性を発揮した仕事をしていれば、
より組織に貢献できたはずです。






そこでもう一人部下を増やします。

 



<作業レイヤー><意思決定レイヤー>





Dさんの仕事には特殊な技能は不要です。
その分組織のアウトプットが増えることになります。