2013/09/17

エントロピー



ここにトランプが52枚あります。
数当てをしましょう。







カードを取ってください。取りました。
一発で言い当てられる確率は1/52です。

あなたのカードは
ハートですか?
はい : 
次に当たる確率は1/13です。
いいえ: 
次に当たる確率は1/39です。
あなたのカードは
Aですか?
はい : 
次に当たる確率は1/4です。
いいえ:
次に当たる確率は1/48です。
あなたのカードはハートのAですね?はい :
次は1/1、すなわち100%
言い当てることができます。
いいえ:
次に当たる確率は1/51です。



/
(1/52)/(1/4)=(1/13)

/
(1/13)/(1/13)=(1/1)



/
(1/52)/(1/13)=(1/4)

/
(1/4)/(1/4)=(1/1)


マークを言い当ててから数字を言い当てるのも、
数字を言い当ててからマークを言い当てるのも同じ。

小学校で習う確率の話。
大した話ではありません。







次に、先ほどのやり取りの確率を、対数を使って置き換えます。






カードを取ってください。取りました。log 52です。

あなたのカードは
ハートですか?
はい : log 13です。
いいえ: log 39です。
あなたのカードは
Aですか?
はい : log 4です。
いいえ: log 48です。
あなたのカードはハートのAですね?はい : log 1 = 0です。
いいえ: log 51です。



-
log 52-log 4=log 13

-
log 13-log 13=0



-
log 52-log 13=log 4

-
log 4-log 4=0



対数の底を2に取った場合
log 52 = 5.7
log 13 = 3.7
log 4 = 2
log 1 = 0

log 13 + log 4 = 3.7 + 2 = 5.7

確率を対数に置き換えたので、
確率演算が足し算引き算に置き換わりました。
言っていることは前半と同じ。






開始時は s = log 52、終了時は s = 0。
マークを言い当てると log 4 が引かれ、
数字を言い当てると log 13 が引かれる。

log 4とは確率が4分の1に絞られること、log 13は同じく13分の1に絞られること。
マークを先に当てても数字を先に当ててもその値は変わりません。


一枚ずつ当てていっても、

♠A ♠2 ♠3 ♠4 ♠5 ♠6・・・・・
♥A ♥2 ♥3 ♥4 ♥5 ♥6・・・・・
♦A ♦2 ♦3 ♦4 ♦5 ♦6・・・・・
♣A ♣2 ♣3 ♣4 ♣5 ♣6・・・・・
log52
log51, log50, log49,・・・・・
log38, log37, log36,・・・・・
log25, log24, log23,・・・・・
log12, log11, log10,・・・・・,
log 1=0 



スートを当ててから数字を当てるのも、

♠ですか?ですか?ですか?♣ですか?
Aですか?2ですか?3ですか?4ですか?・・・
log52
log39, log26, log13
log12, log11, log10,・・・・・,
log 1=0 


ですか?黒ですか?
奇数ですか?偶数ですか?
4の倍数ですか?
10より大きいですか?
log52
log26
log13
log6
log3・・・・・,
log 1=0






いかなる手順で進めようと、log52から始まり、log1=0で終わります。
確率の対数が、本日のタイトル『エントロピー』です。



今回はトランプで、スペードのAからダイヤのKまで、
全カードの出る確率は同じですが、
カードの出る確率が一定ではないとき、
エントロピーに確率を掛け合わせて総和した
『平均エントロピー』なるものを使います。