2013/03/05

最低賃金規制

あなたはハンバーガーショップの経営者です。



一個500円のハンバーガーが一日160個売れます。
一日の売り上げは8万円です。
材料費は一個150円です。
従業員は時給800円で、10人×4時間雇っています。
その他諸経費一日3千円かかります。

売上高[円/日] 80,000
材料費[円/日] 32,000
人件費[円/日] 32,000
諸経費[円/日] 03,000
粗利益 15,000


正直、人件費が高くてあまり儲かってないけど、
赤字は出てないし、楽しいからまあいいや






法改正です。
今度から、最低賃金は時給1,000円になります。






あなたはハンバーガーショップの経営者です。

一個500円のハンバーガーが一日160個売れます。
一日の売り上げは8万円です。
材料費は一個150円です。
従業員は時給1000円で、10人×4時間雇っています。
その他諸経費一日2万円かかります。

売上高[円/日] 80,000
材料費[円/日] 32,000
人件費[円/日] 40,000
諸経費[円/日] 03,000
粗利益 05,000

一日の粗利益は5,000円です。
・・・経営者はリスクあるし、ハンバーガーショップをやめて自分もアルバイトした方がよくない?





あなたはハンバーガーショップの経営者です。

一個500円のハンバーガーが一日160個売れます。
一日の売り上げは8万円です。
材料費は一個150円です。
従業員は2名辞めてもらいました。
時給1000円で、8人×4時間雇っています。
その他諸経費一日2万円かかります。

売上高[円/日] 80,000
材料費[円/日] 32,000
人件費[円/日] 32,000
諸経費[円/日] 03,000
粗利益 15,000

表向き、経営は元に戻りました。

ただ、従業員からは人手が足りないと不満の声があがっています。
辞めないか心配です。

客からも対応が悪くなったと不満の声があがっています。
売り上げに影響がないか心配です。







いっぽうその頃・・・



町には、最低賃金の上昇によりクビになった人々で溢れています。

彼らは収入がない。住居と衣服は後回しにしても、
まずは何かを食べないと生きていけません。



あなたは商売を思い付きました。
一食100円で、茶碗一杯のご飯を提供します。
失業者はたくさんいます。
大量に炊けば原価は30円もあればいい。

私ももうかる、失業者も最低限の食料を安定して得られる。
世の中ギブアンドテイク。


一杯100円のご飯を一日300食提供します。
一日の売り上げは3万円です。
材料費は一杯30円です。
配膳2名、炊き出し3名のスクランブル体制です。



売上高[円/日] 30,000
材料費[円/日] 09,000
人件費[円/日] 20,000
諸経費[円/日] 03,000
粗利益 -2,000

え!?赤字?
あ、そっか。
従業員には最低時給1000円払う
必要があるんでした。

もっと安い給料でもいいから働きたいという人は
いるんですがね、目の前にたくさん。
でもいいや、やーめた。







最低賃金法が原因で失業した彼らへの廉価サービス業は、
これまた最低賃金法に阻まれます。

彼らに救いの手を差し伸べるのはボランティアかお役所になります。
ボランティアはただで請け負ってくれるかもしれませんが、
お役所が動くと税金が投入されます。






えてして職業安定所の前には今日も大行列ができます。
重厚な雇用保障に守られた高賃金職員が
さぞかし丁寧に素晴らしい職を紹介してくれることでしょう。






まとめ: 最低賃金上昇による効果
経営者 収益悪化×
従業員 解雇リスク
最低賃金で働いていた従業員は給料アップ
その他の従業員は給料下がるかも
給料上がったかどうかに関係なく、従業員が減った分の仕事は増えます
△(×)
客層 値上げもしくは商品・サービスの質低下×
失業者厳しい再雇用。
人件費高騰により物価が上昇し、支援なしでは生活が困難。
×
役所失業者が増えて窓口対応が大変。
職員を増やすので予算ください。
失業保険の予算も増やさないと足りません。
困っている国民を助けるために税金増やすんだから、
いいよね?いいよね?


だーめ。
国民はお役所の仕事をつくるために税金を払っているのではないのです。