2013/08/13

情報の離散と連続



Aさんがいます。





Bさんがいます。
BさんはAさんの小学生時代の同級生です。





Cさんがいます。
CさんはAさんの小学生時代の同級生です。





D、E、Fさんがいます。
Aさんの小学生時代の同級生です。













あれから60年たちました。
Aさんは年を取りました。
はるか日の小学校時代を思い出します。




あのころは楽しかったなあ。
(誰が誰だったかは思い出せない)





その中に仲の良い仲間がいたなあ。
あのころは楽しかったなあ。
(仲間が誰だったかは思い出せない)





その中で特に3人でよく遊んだなあ。
あのころは楽しかったなあ。
(他が誰だったかは思い出せない)





そうだ、BさんとCさんだった。
あのころは楽しかったなあ。
(他の仲間が誰だったかは思い出せない)





そうだ、CさんとDさんとEさんとFさんだった。
あのころは楽しかったなあ。
(他が誰だったかはやっぱり思い出せない)





そうだ、他の仲間はDさんとEさんとFさんだった。
あのころは楽しかったなあ。
(仲間以外が誰だったかは結局思い出せない)





Aさんは記憶を掘り起こす中で、『同級生』、『仲の良い仲間』、
『特によく遊んだ仲間』という特別な集団の存在を掘り起こしていきました。
その集団の中に誰がいたかはなかなか思い出せません。

しかし、Aさんは思い出に浸り楽しいひと時を過ごしました。
具体的に友達が誰だったか、それはどうだってよいのです。
『仲の良い友達がいた』、それで十分です。


他と識別可能もしくは識別が必要な情報を離散情報。
識別不能、もしくは識別不要な情報を連続情報と呼びます。







あなたの住んでいる県があります。





それは、”あなたの住んでいる市”と
“あなたの住んでいない市”に分かれます。

その程度の分け方でよいです。
あなたの住んでいない市のことはよく分からないでしょ?





もしあなたの職場がほかの市にあって、
それが特別だというのであれば、

”あなたの住んでいる市”と
”あなたの職場のある市”と
“その他の市” という分け方でもよいです。

要は、あなたにとって特別なものだけを区別し、
そうでないものは区別しません。







あなたの住んでいる市を拡大してみましょう。





そこにはたくさんの町があります。





それはまた
“あなたの住んでいる町”と
“あなたの住んでいない町”に分かれます。

実際のところ、同じ市にあってもあなたの
住んでいない町のことはよく分からないでしょ?





もしあなたの学校が別の町にあったり、
学校の友達がさらに別の町に住んでいて、
そこをよく知っているのであれば、
カテゴリーを増やしてもよいです。
全部知っているというなら、全部分けてもよいです。

要は、あなたにとって特別なものだけを区別し、
そうでないものは区別しません。







では、さらにあなたの町を拡大してみましょう。





町は複数の地区に分かれているようです。





また、あなたの住んでいる地区と
そうでない地区に分かれます。






知り合いのAさんとかBさんとかが
別の地区にいるかもしれません。
よくいくスーパーが別の地区にあるかもしれません。
そういうのは区別してもよいです。

特別なものは区別して構いません。
特別でないものは省略して構いません。










我々は膨大な情報の中で生きています。
すべての情報を網羅し続けるのは現実的ではありません。



他と識別可能もしくは識別が必要な情報を離散情報。
識別不能、もしくは識別不要な情報を連続情報と呼びます。